2005年05月10日

『オオバンクラブの無法者』アーサー・ランサム/岩波書店

オオバンクラブの無法者改めて読んでみて、何気にこの話は緩急──起承転結──がはっきりしていて、小説としてシリーズ他の作品より良くできてるかも、と思った。トムとマーゴレッタ号の追いかけっこはスリリングだし、ポートとスターボードがトムたちを追いかけるのもドキドキですよ。また、占いの伏線もよくできてると思います。成功を収めるウィリアム。
おかげで赤丸急上昇しました。現在2位(2位が3冊…)の位置につけております。

この話にはDきょうだいが出てくるけど、割と影は薄め。主役はトムだからね、しょうがない。
トムってジョンと思考が似てる気がする。やっぱり「お兄ちゃん」だからでしょうか。ナンシイだったら、ドットが言うように問答無用で船を流してしまうだろうけど、トムはそれを決意するまでにいろいろ考えたし、ジョンもそうだろうなあと。

それにしても、保護者が1人いるとはいえ、子供たちだけでこんな旅に出してしまうなんてイギリスってすごいなあ。まあ、時代違うけど。今の日本じゃ考えられないよね?できる子供たちもすごいけど、できるように仕向け、かつ信じて出せる親もすごいなあと思う。
2005年5月5日
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2005年01月18日

『長い冬休み』アーサー・ランサム/岩波書店

やっぱ、お茶(紅茶、もちろんミルクティーだ)とパン、マーマレード、チョコを用意してこれですよ。たまりませんなあ。

ツバメの谷以来、どんどんティティの影が薄くなっております。そこへきてドット登場。ティティ、危うし!
…とかいうのは冗談として、この巻でドロシア(ドット)とディックという兄弟が登場します。わりとこの話自体、ドットの視点が多いですね。なんてったって、ドットは記述者ですから…。
でも、主人公はやっぱりディックだろうな。都会っ子の自分たちが、自分たちの力を駆使して(?)、ムリして相手に合わせているわけでもなく、ツバメ&アマゾンたちに溶け込んでいく姿はすてきです。何気にスーザンたちのほうが見くびってますやね。

それから、ヒソカに影の主人公(と勝手に思っている)なのがペギイ。シリーズを通して、ここまでペギイが描写されてるのってないような気がする。
ナンシイ不在で、一生懸命ナンシイの代わりを務めようとする姿。でも、やっぱりナンシイほどの蛮勇さ(?)は持ち合わせてはいなくて──フラム号の件はペギイをよく表していると思う──。
ナンシイに憧れ、頼りにしつつ、でも自分もナンシイのようになってみたいという気持ちが裏に見えるような気がします。でも、ナンシイにはなれないし、その器ではないこともよくわかってるんだよね。
ランサマイトに100の質問みたいなページがあってね、その中に「一番自分が似ているのは誰」といった質問があったのね。
私はペギイかなあと思っています。好きではないんだが(爆)
なので、フラム号のお話はちょっと涙を誘うよ(苦笑)

そういえば小学生の頃、この本にあった手旗信号を書き写して覚えようとした記憶があります。
全然覚えませんでしたが。
2005年1月5日
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2005年01月07日

『ヤマネコ号の冒険』アーサー・ランサム/岩波書店

本音を言いますと、読むのがつらかった;; ランサムのシリーズのなかで2番目くらいに好きじゃないのがこの本だったりする;;
この物語は、いわば作中作みたいなもので、「冬休みだか春休みだかにウォーカーの子供たちが遊びに来た時に、屋形船でよってたかって作り上げた物語」ということになってます。だから(?)わりとご都合主義なところがあったりなかったり。ランサムがそれを意図して書いたかどうかはわかりませんが…。

基本的にランサムの話って、あんまり山がないんだよね。起承転結っつーか、起承承結、みたいな。いや、起起承結、起起転結か?この話はそれが遺憾なく発揮されております(笑)とにかく前半がタルい!
後半には、一応ヤマがあって(マウント・ジバーというヤマである/違)、敵が敵(いわゆるヤクザなんである)だけにハラハラドキドキ…といいたいところなのだが、ミョーな安心感がある。
この安心感は、「子供たちが危機に陥らない」というところにあるのですね。ピーター・ダックという老練の水夫とビルというキャラクターが危険な目に直面するという役を担ってしまったので、子供たちが直接敵と対面するという自体がなくなってしまったからでしょう。一応子供たちも、地震や嵐などの危機にも面してはいるんだけどね…ブラック・ジェイクという危機の前にはそれも影が薄いですよ。
こういったところに、「子供たちが作った物語」的な意図を感じたり、当時の時代背景(社会的考え)をうかがわせたりします。だって、どう考えてもツバメ&アマゾンたちとピーター・ダック&ビルは社会的階級が違うでしょう。もちろんブラック・ジェイクもね。
こういう深読みは、初読の当時(小学5年か6年)の時は当然しなかったけど、当時もあんまり面白いという印象がなかったなあ。やっぱり、子供たちがブラック・ジェイクという山を前にして迂回してしまった感があったんだろうな、やっぱり。
2004年10月30日
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2004年10月02日

『ツバメの谷』アーサー・ランサム/岩波書店

改めて読むとビミョーな作品だなあ…(おいおい)
私は本当に好きな作品郡なので文句はないんだけど、一歩はなれて見ると、ヤマがない。のです。小さなヤマ(丘陵くらいか・笑)はあるのだけど、起承転結の転がないというか、色味が薄い。起承承承承承承結ってかんじを受ける。
それでも好きなもんは好き!だし、いい作品だと思うのですけどね。

初めて読んだときはティティが好きだったけど、今読むとあまり…っていうか、ついていけない部分が多々。ある意味ジョンやスーザンより非常に子供的だといえるけど、ドリーム入りすぎだって(笑)ロジャが一番「らしい」かな。
最近は、昔好きではなかったスーザンに共感を持つようになりました。ティティを一人でヤマネコ島に置いてきているのになかなか帰れなかった時、ティティとロジャが丘陵からキャンプに先に帰っていなかった時、海に出てしまった時…。長女ってこういう想いだったんだろうなあと。性格もあるだろうけど。私は長女だが下の子なのでそういうとこがずっとわからなかったんだよね。今?ダンナという名目のおこちゃまができたので、ちょっとはわかるようになったのよ!(笑)

それにしても、みんなおかあさんが大好きですね。アマゾン海賊はちょっとわかりづらいけど、探検家たちはおとうさんも大好きですね。
私だって好きだけどさ、自分がもう子供ではなくなってしまったせいもあってこんなにストレートじゃないから、見ていてほほえましいな。
この作品では、最後にツバメ号がベックフットの岬で勝つのがすごく印象的だったのだけど、今回はその後のおかあさんとの会話が印象的でしたね。

「三十年たって、わたしがあなた方のところへとまりにきたら…」
「あかあさんをどこへもやるもんですか。」
「とまりにくるってことはありませんよ。いかせやしませんから。おかあさんはいっしょにくらすにきまってるんです。」

老後の心配も、兄弟のうちで誰が親の面倒を見るかとかいういざこざも、ここにはないに違いありません。
2004年10月1日
posted by ねむ at 13:31| Comment(0) | TrackBack(0) |  Ransome

2004年09月25日

『ツバメ号とアマゾン号』アーサー・ランサム/岩波書店

最読了っていうか…もう何度読んだかわからないくらい読んでるんですが。

当時(1930年前後)の英国の子供たちを瑞々しく描いた逸品でございます。
小学5年生のときちょっとした興味からこのシリーズと出会って(最初のエンカウントは『ひみつの海』でしたが)、丁度主人公の子供たちと年齢がバッティングしていたのと、本自体の対象年齢がドンピシャだったため、ハマりにハマりまくりました。彼らのごっこ遊びに、一緒になって遊んでいたわけです。すごい引力だったなあ。

改めて読むと、けっこう淡々と日々を描いてるんだよね。ハリポタの一巻で事件が起こるまでにちょっと感じが似てるかも。だから、事件やなんかでハラハラドキドキというのが好きな人には向いてないかも。
私はわりと、自分が体験し得ないであろう体験(それが単なる日々の生活であっても)というのが大好きなので、面白くて仕方がないんだなあ。
2004年9月12日
posted by ねむ at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) |  Ransome

2004年08月21日

『海へ出るつもりじゃなかった』アーサー・ランサム/岩波書店

やっぱり、シリーズ中で一番すきだわ、これ。
保護された遊びから、突如なんの保護もない現実になってしまい、それを乗り越えていくところが。できすぎ、とか言わない(笑)

初めて読んだ時はなんせ小学生だったから、わりと「恐い話」として映っていたのだけど、高校のときは「ジョンかっこいい!いいねおにいちゃん!」って感じで(おい)、今回は「おとうさんすてき!スーザンかわいい、よくがんばったね!」という感じでした。
傍目からみて、いろいろ動き回って考えていたジョンが一番がんばっているように見えるけど、もちろんがんばったのは本当だけど、何気にスーザンが一番苦労したというか…キツかったんだろうな、と思うのです。
スーザンは、いつも弟妹を、時にはジョンをも守っているけど、それは自分たちが大人の庇護下にあるということを踏まえた上でのことなんだよね。彼女はそれをわかってるんじゃないかな?海にでたことで庇護下から外れてしまい、完全に自分が守らなくてはいけない立場になってしまって、それがイキナリだったために混乱してしまったのではないかと。誰かの下(もと)にいることの安心感てあるでしょ。子供ならなおさらだよね。もちろん、たとえばロジャなんかはそういう壁をすこーんと意識せずにつっきっていけるのだろうけど(時にはその庇護をうるさく思ったりね)、スーザンは違うんだね。
当時はぜんぜんわからなかったな、こんなこと。視点がずいぶん変わったな、と思う。
2004年8月20日
posted by ねむ at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) |  Ransome