2006年03月28日

『メイン・ディッシュ』北森鴻/集英社

メイン・ディッシュメイン・ディッシュ

集英社 1999-03-26
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毎回ながら、北森鴻の描く食べ物には…ああ、もう!たーまーらーんー!

…それはさておき。

実は、他の本に比べて、ちょっとパンチが効いてない感じはしたのですよね。あっさりとしてるというか…。
ただ、最初の話はガツンときました。
作中作と言ったら、それだけで使い古されて感がでて陳腐に聞こえるけど、ただの作中作じゃありませんよ!
問題は提示されるものの結末が用意されていない推理脚本を、ああも見事に完結させてしまうとは…いやびっくりよ。ほんとに。
もしかしたら、最初の話にガツンときてしまったので、その後の話が薄く見えてしまったのかも;;
割と心温まる話がそろってます。

メインテーマは、ひととのつながり…なのかな(だから心温まる話、なのだ)。
食事って、人との関係を保つのにとても重要なものだと思いませんか?友好を深めるのに、公私違わず食事や飲みが行われるよね。
タイトルが『メイン・ディッシュ』なのは、そこらへんも暗示してるんでしょうか。
最後に主人公は「彼がメイン・ディッシュ」みたいなことを言ってたと思うけど、なんか違和感を感じました…え?私が深読みしてるだけですか?

グルテンのフリッターを食べたいんですけど、作れるかなあ?
生麩のフリッターに近いんじゃないかと思うんだけど。生麩はグルテンを作ってからゆでるのだけど、ゆでないでフリッターにするのかな。
誰か作った人、いる?
2005年3月3日
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posted by ねむ at 20:11| Comment(0) | TrackBack(1) |  北森鴻

2006年03月22日

『狐罠』北森鴻/講談社文庫

狐罠 (講談社文庫)狐罠 (講談社文庫)

講談社 2000-05-12
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再読。
以前読んだ時より、ずっと面白く読めました。少し前に『狐闇』を読んで、さらにその前に『凶笑面』を読んだのも面白く読めた一因かと。

誰が罠を仕掛け、罠にはまっているのか、なかなかわからない頭脳戦がスリリング。タイトルに「罠」とあることだし、そこらへんを考えながら読むのが楽しいかと。最後のどんでん返し(?)も良かった。しかし、30女言うけど、そんなに度胸がある&悟った人ばかりではないような気がするんだが…まあ、二人は苦労してそうだからなあ。それとも自分が子供なだけなんでしょうかねえ。
練馬署の2人がいい味出してますね。この二人の視点でひとつ話が書けそうですよ。ところで四阿は、結局どうしたのかなあ。気になってしょうがない。
2006年1月9日
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posted by ねむ at 01:05| Comment(0) | TrackBack(3) |  北森鴻

2005年04月11日

『親不孝通りディテクティブ』北森鴻/実業之日本社

親不孝通りディテクティブ親不孝通りディテクティブ

実業之日本社 2001-02
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オビにあった文を読んで、「軽そうかな」と思って借りたんだけど大間違い。
一人称で口語に近い語りなので文体は軽く読みやすい。テッキとキュータの一人称が一章ごとに変わりばんこに描写され、「二人で一緒に探偵を」ではないにもかかわらず二人が微妙な線でつながっていて(それがキュータの思惑と大いにはずれてしまっているとしても!)、最終的に一つに収束するのが読んでいて楽しい。特にキュータの一人称は全体を明るくしてくれています。
けど、内容はなかなかディープだったり。
テッキもキュータも、どうやらまっとうに人生を歩んできたわけではないらしく、特にテッキは人に言えない過去を抱えているようで…(そしてこの過去は語られることはない)そういう二人だからこその暗がり・深みがあるのですね。逆をいえば、まっとうに人生を歩んできた人(ex.ワタクシ。わりと「普通」だと思う…)には感情移入しづらい面も。

…でも、最後はホロリときましたよ。ダメなんよわし、家族モノとか動物モノとかふるさとモノって弱いんよ〜。
誰しも、「帰りたい」っていう気持ちはあるんじゃないかなと思う。テッキはそれが博多であり、オフクロやキュータのいるところなんだよね。
帰りたいのに帰れないというのは非常に苦しくて、そんな気持ちはないほうがどんなにかマシだろうと思ったりもするけれど、そういうところ・想いがあるからこそ生きていけるという気もするよ。
2005年4月9日
posted by ねむ at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) |  北森鴻

2005年01月17日

『支那そば館の謎』北森鴻/光文社

支那そば館の謎支那そば館の謎

光文社 2003-07-18
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とりあえず一言。
ムンちゃんは一体…;; (なんだったの and どうなったの)

それはともかく。
たとえば、蘇部健一『六枚のとんかつ』ほどアホバカではないし、鯨統一郎『邪馬台国はどこですか』ほどやわらかめでもないのだけど、『狐罠』なんかを書いた人にしてはかなりやわらかめ、なのではないでしょうか。
始めはそれほどカルいという感じはしないのだけど、ムンちゃん(※)が出てくるあたりから…だいたい、ムンちゃんの存在自体がアホすぎ〜る。
 ※ムンちゃん=バカミス(バカミステリー)作家・水森堅。『鼻の下伸ばして春ムンムン』でバカミス協会賞受賞…したらしい。そんなわけで、ムンちゃん(命名・アルマジロ、もとい有馬次郎)

また、始めはそれほど…というウェイトだった十兵衛(小料理・飲み屋)のウェイトがどんどん重くなっていってます(笑)香菜里屋とはかな〜〜〜りちがうけど(でも、こちらも美味しそう!)。香菜里屋では、工藤が探偵役だけれど、ここではやはり次郎がその役だし、少しのインスピレーションを与えるのは十兵衛に集う人ではなく、大悲閣の住職なんだよね。
人の気持ちが織り成した勘違い、誤解を解くこと=謎の解明、となっているようです。おバカチックではあるものの、人の織り成す悲哀を感じられる作品でもあります…このあたりが北森鴻なんだな。
私はあまり京都が好きではないのだけど、こういう京都はいいね。つまり、なんだ、「観光都市京都」が嫌いなんね(わりとよそ者に排他的なイメージがある)。やっぱりまちは人のすむところであって欲しいと思うんよ。町屋や銭湯の話を知って、ちょっとだけ京都が好きになったよ。

どうでもいいんだけど、まだこの本に出会う前、ワタクシはダンナに向かってこう言った。
私:「なあなあ、有馬二郎っていう人がいたらさー、絶対アダ名はアルマジロだよね〜」
ダンナ:「……ハァ…。…アホ?」
おるやんか〜〜〜!(小説だけど)
2005年1月16日
posted by ねむ at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) |  北森鴻

2004年10月04日

『屋上物語』(連)北森鴻/祥伝社ノン・ノベル

屋上物語 (ノン・ノベル)屋上物語 (ノン・ノベル)

祥伝社 1999-04
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本のどこかに長編って書いてあったけど、こういうのは連作っていうのではなかろーか。と勝手に思ったので(連)にしとく。

北森鴻って、さくら婆ァなんてキャラが描けるんだ。
というのが、率直な感想だったり。しかしながら、ただの「ババァ」と呼ばれて終わりのおばさんではなく、きっちり背景が(背負う暗く重いものが)あるのが北森鴻らしい感じではある。
さくら婆ァ、かなりいいキャラよね! いいなあ。かなり憧れだわ。でも、絶対自分にはなれないだろうなあ…。のほほんと生きてきて(それなりにはあったけどさあ、さくらさんには負けるさ)、背負うものもないからさ。

さくら婆ァが最後に背負ってきたものを下ろせたのはほっとした。この連作集って救いがないのがぽろぽろ含まれてるんですよね。しかも、その救われのなさっていうのが、まさに今の世の中を映し出しているようで痛い。弱い自分から抜け出せずに、悪い方向へ走ってしまった西尾少年がその筆頭かな。やりきれなさを感じるよね。

ところでこの話、叙述者がモノなんですよね。屋上にあるものたち。
物を叙述者にするというのは、あちこちで使われていると思うのでそれ自体は目新しさはなくなってしまったけれど、「屋上物語」というタイトル、「屋上のヌシ」さくら婆ァ、そして楽園を外側から客観的に眺め、語るという点でうまい具合になってると思いました。
2004年10月3日
posted by ねむ at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) |  北森鴻

2004年03月29日

『桜宵』北森鴻/講談社

桜宵桜宵

講談社 2003-04
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一気読みです。約2時間。
密やかな夜の香りがしますね。こういうふうな、バーで繰り広げられる物語というのは非常に好きなタイプで、いくつか読んだことがあるのだけど、たとえば森へ抜ける
道やスリーバレー(@鯨統一郎)はあまり夜の香りはしない(かといって、昼っぽいというわけでもないんだけどね)。EGG STAND(@加納朋子)は、夜だけど、もうちょっと明るい(雰囲気が)感じかなあ。香菜里屋がいちばん静かでゆったりとして、密やかな夜という雰囲気。まさにそこは、工藤が作った小宇宙だと思います。
そのわりに、工藤の存在感のなさって…。主張しないから、なのかな。背景に溶け込んでる感じですよね。やはり、彼が香菜里屋という世界を構築する一部だからなんでしょうか。

話はというと。
初め、変化球なほのぼのから入ったので、そんな感じかといくかと思いきや、かなりダークな感じに。
いろいろ推理小説を(それほどの量じゃないにしろ)読んできたけど、結局のところ一番恐いのは人の闇か、という気がいたします。最後の話なんか、恐すぎ。

ああっ、それにしても、おいしそう〜〜〜〜〜!!!!

…というわけで、前作を読むことにします(笑)
2004年3月28日
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posted by ねむ at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) |  北森鴻

2003年02月07日

『花の下にて春死なむ』(連)北森鴻/講談社文庫

花の下にて春死なむ (講談社文庫)花の下にて春死なむ (講談社文庫)
郷原 宏

講談社 2001-12-14
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これ読んで思ったんだけど、私はこういうタイプの設定のミステリが好きみたいです。どういう設定かと言うと、1)アットホームな飲み屋などで 2)マスターと常連客が話をしながら 3)安楽椅子探偵状態になる というやつです(笑)
『掌の中の小鳥』とか、『邪馬台国はどこですか?』とか。飲み屋じゃないけど、『ミミズクとオリーブ』も好きでした。単に安楽椅子探偵がすきなのかも…そういえば昔ポアロよりマープルの方が好きだった。
上記にある作品より、これはもっと静かな、しっとりとした感のある作品。大人っぽいって言ってもいいと思う。ミステリなんだけど、謎がどうの、とかいうより、心の軌跡を追った、っていう感じがしました。
それにしても料理がうまそうだ…じゅるじゅる。
 
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posted by ねむ at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) |  北森鴻