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2009年04月14日
『少年検閲官』北山猛邦/東京創元社
2008年09月18日
『チーム・バチスタの栄光』海堂尊/宝島社文庫
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基本的に、ベストセラーがベストセラーとして持ち上げられている間は読まない人です。主義ってほどでもない、ただのひねくれものなだけなんですけどね。
ただ、映画化されたのでCMをよく見かけたこと、そのCMが真面目な本格医療ミステリに見えなかったこと(阿部寛のせいかも……/笑)、同僚のお薦めがあったことで読んでみました。
面白かった!
田口は、大学病院にありながら、出世街道を自ら外れた医師。
まず、ここがいいです。
こんな超受身昼行灯が、さあ事件が起こったらのらりくらりとしているにもかかわらず、関係者から次々と重要な(傍から見るとぜんぜん重要に思えないような)意見を聞きだし、事件解決!
……とかなるかと思いきや。
昼行灯は昼行灯のまま、闇夜に映えるサーチライトは別にいたのでした。
それが白鳥。
いや、このキャラすごすぎです(笑)傍から見てるとめちゃめちゃ笑えるんだけど、絶対近くにいて欲しくないキャラだ。まさにゴーイングマイウェイですよ。
初め、白鳥の外見を読んで、阿部寛と全然ちゃうやん!って思ったんだけど、白鳥の性格・行動・会話を読んで、ああ阿部寛ハマり役だわー、と思ったのでした。TRICKの上田を演じた彼なら、そりゃウマく演じるだろうさ(笑)
で。
物語は、手術中に起きた死亡事故は、医療ミスなのか、運が悪かったのか、はたまた人為的なものなのか?というところを核に進みます。
結局、着地点は……(本をお読みください)……だったわけだけど、犯人も、手法も、理由も、あーやっぱりそうなのね、というところで、それほどの驚きはない。だって密室だし。
じゃあ何が面白いのか?
やっぱりこれは、白鳥(&田口)のキャラとその捜査方法でしょう。
結果よりも過程、ですね。
また、病院内の権力や構造的問題なども浮き彫りになっていて、そういったところに焦点を当てて読んでいくのも面白いかと。
ところで。
映画では、田口が女性(竹内結子)に変更され、かつ年齢が下がってしまったのですよね。
これ、大減点だと思うんですけどー。まあ私は映画を観ていないので、なんともいえない部分もあるのですが。
なぜ減点だと思うのかというと、女性だと、「自分からドロップアウト」という側面よりも、「見えない天井を破れなくてドロップアウト」の側面が強くなっちゃう気がするからです。大学病院に女性医師の見えない天井はないのでしょうか。それとも、年齢が下がったことによって、天井にぶつかる前に天井を発見してしまい、自らドロップアウト……とかなのかな。
自分は、田口という医師がこういうスタンスでこういう位置にいる、って重要だと思ったんですけどね。
2008年3月16日
2007年09月26日
『ミミズクと夜の王』 紅玉いづき/電撃文庫
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最近電撃大賞を取ったらしい。
電撃文庫というと、、平積みされているものを見ると、萌え・萌え・萌え絵ばかりで見ただけで萎えてくるのだが、これは表紙が違いました。はっきりいって、電撃文庫の棚の中で異彩を放っています。たぶん、他の文芸文庫に混じって並んでても違和感ない。
中身は、というと、自分はここ数年ライトノベルを読んでいなかったのでなんともいえないんだけど、いわゆる漫画絵が描いてあるライトノベルのイメージとは違うと思う。童話的ですね。
かといって、重い文芸書かというと……うーん? 純文学じゃないしねえ。やっぱりライトノベル?
帯に「泣いた」とあったのだけど、自分も涙でました。※自分は涙腺弱いです。
気づくとミミズクの気持ちが心の中に入ってきていて、胸がつまってくる。いやあ、思ってもみないところで涙が出てびっくりした。もっとラストで涙が出るかと思ったので(笑)
「奇をてらっていない」とあったけど、本当にそのとおり。主人公ミミズクと同様、非常に素直な話。きちんとミミズクの成長が描けていて、好感が持てる。
気になったのは、国王・騎士&姫の理由が薄いところ。全体的にミミズクに関すること以外が薄いんだけど。
だけど、国王が国を動かして夜の王を捕らえることをする理由に対する思いが薄い。理由自体はわかるし、薄くもないんだが。記述がほとんどないからそう感じるのかなあ。国の情勢も希薄なので、「今」夜の王を攻撃しなくてはいけない切羽詰った理由を見つけられない。
同様に、騎士&姫の過去や行動に対する理由も書かれてはいるのだけど、これも薄い感じがするんですよね。聖剣の解説もほとんどないし。
世界設定が希薄なのは、これはこれでいいのかな、と思う。けど、
「希薄でも、バックグラウンドにはちゃんとあって、それを見せてないだけ」ではなく、バックグラウンドは空白なんじゃないかなあと思わせてしまうのが残念。
全体的に、雰囲気だけで書かれている印象がある。
ついでに、ディアが最後ああなっちゃったのはどうなのよと。甘すぎじゃない?
でも、読めちゃったし、感動しちゃったなあ。完全ミミズク視点で読んでたからかも。
許される、っていいなあ。
夜の王に、だけじゃなくて、人は許されて生きてるんだよね。
しかし、なんでこれ電撃なんだろう?
自分のなかにある「電撃」のイメージじゃないなあ。
2007年9月24日
2006年10月12日
『凍える島』近藤史恵/創元推理文庫
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すごく切ない話でした。
読み始めてすぐ感じる退廃的な空気。
これは嫌いではないのだけど、流れからしてハッピーエンドではないだろうという予感があって、なかなか読み進められず、数年越しの読了となりました。
まあ、推理小説にハッピーエンドを期待するのもどうかと思うのだが──別に期待してるわけではないのだけど──登場人物が、特に好ましい人物が不幸になってしまって終わるというのは、読んでいてとても苦しいんである。
で、なにやらこの本はそういう空気が流れているんだね。裏を返せば、雰囲気作りがうまいといいますか。
で、やっぱりみんな不幸になりました(苦笑)
最後の最後が本当に切ない!
トリックがどうの、とかいう話ではありません。
動機、というのかなこれは…、なぜ殺したか?それがポイント。
でも…やぱりずるい、と思うんだけどな。逃げなんだよねえ。逃げるしかできなかったのだろうな、とは思うのだけど。
愛だの恋だのって文学にすると美しいけど、実際はぐちゃぐちゃな部分てたくさんあるじゃないですか。
もちろんそこらへんもちゃんと書いているのだけど、それをいかにどう美しく書くか、というのが作者のメインだったのかな、と思いました。
2006年1月25日
2004年09月12日
『茨姫はたたかう』近藤史恵/祥伝社文庫
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面白かったですよ。前回の『カナリヤ〜』よりも、今回のほうが共感できる部分が多くて読みやすかったし、ドキリとさせられたし、考えさせられたな。
わりと私も優等生ないい子ちゃんだったので。失敗がこわかった、怒られるのが怖かったというのもあるけど…
「童話に出てくる白馬の王子様とストーカーは同じだ」つーことに主人公たちは話が落ち着くんだけど。ストーカーかどうかはともかく、実際童話に出てくる白馬の王子様というのは、見知らぬ女性の死体にキスする変態だと思うぞ(笑)
童話に出てくる王子って、わりとマトモなのいないよね…死体にキスしちゃう奴とか、マザコンとか、すぐ魔女にダマされちゃう奴とか、思い込みが激しい奴とか…
よく考えてみると、それだけダメ男ばっかなのに女の子のドリームになっちゃうのが信じられないな。やはり金と美貌と権力なのかー!?(違)
2004年9月11日
2004年08月22日
『まほろ市の殺人 春』倉知淳/祥伝社文庫
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興味はあったけどイキナリ買うのにちょっと躊躇していたシリーズ。作者を替えて、同じ市での事件をつづったシリーズですね(たぶん)。
読み始める前に、地図を見て大笑いしてしまった
電車の中だったから変人さんですよ(笑)
「真幌」っていう語感、どう聞いても北海道だ
読む前は北海道の架空の都市だと信じて疑わなかったんだがD県ですって
D県つーのも架空なんだけどさ
ガッカリ(なんで?)
それにしても、土井留市や駄陰、九陰市はともかく(?)、加亜市ってちょっとムリがありませんか(笑)
これ、結局犯人はわからないんですね。種明かしにしても想像の域を出ないし(渉自身もそう言ってるしね)、その中身もまた突拍子も無く(笑)
しかし、微妙に痛いところをついていたりして。
「たとえ正当防衛であっても、殺人者のレッテルはついてまわる」
「男(犯人)が若い女性の部屋に押し入った場合、たとえ何も無くても世間の人はそうはみてくれない」
事実だよなあ………
2004年8月21日
2003年08月28日
『モダン東京の検屍官』川田弥一郎/双葉社
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昭和初期の話。「モダン」って、単語としては「現代的」「近代的」っていう意味にもかかわらず、日本人の手にかかるとその本来の意味に関わらず大正昭和期の「現代的」なものになるという不思議(笑)
「カフェ」が今で言うカフェ(喫茶店)ではなく、キャバレークラブだというのが罠。エロシーンを細かく描写したりはしてないけど、妙にエロチックな感じがしてしまうのは時代が昭和初期だからなのか。別にエロでもグロでもないけど、読む人はそういうのが嫌いでない人のほうが良いかもしれません。
内容は、これまたレトロ感あふれる(?)内容。毒の種類とか…いや、書き方(名称)の問題かな?昇汞なんて使わないよね。塩化水銀のことらしいのですが。今ではあんまり聞かない毒物ですね。
タイトルにあるように、検死を元に推理をしていくというのがおおまかな流れ。思ったよりこの時代の検死技術は発達していたようで、わりといろいろなことがわかるようです。それが決め手になったり、逆に惑わされたりするというのは面白かった。
しっかし、男も女も、夜の世界は変わらんね(笑)現在をよく知らないので、たぶん、だけど…
それにしても、小鳩ちゃんはかわいそうだったなあ、いろいろと。
思ったんだけど、主人公(吟作)って検屍官ちゃうやん。そして、検屍官を描いた作品てわけじゃないやん。 とかいうツッコミはしちゃいかんのかいな。
2003年8月28日
2003年08月11日
『いつも着物でいたい』五箇谷桂子/インデックス出版
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リサイクルきもの屋さんをひらいた五箇谷さんの着物エッセイ。
彼女に限らず、最近出てるきものの本を書いている方はみんな「普段から着られる着物」を示してくれて、今まで閉じていた着物の世界を開いてくれているように思うなあ。しかもたいていのきっかけがネット(のサイト)だったりするから、世の中って面白い。
2003年04月17日
『しゃべくり探偵の四季』(連)黒崎緑/創元推理文庫
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以前『しゃべくり探偵』を読んで面白かったので、早く読みたかった本。軽いので(内容が、というより…漫才なので。)今日、というか昨日みたいに仕事がぜんぜんできなくて落ち込んだ日に読むにはもってこいだ。短編だし、読みやすいって言うのもあるんだけど、あっという間に読み終えてしまった…そんなに時間かけてないのに。
和戸くんがあまり出てこなかったことと、漫才が2つしかなかったことが残念。あと、夏休み編はあんまり…。内容はいいんだけど、ホームズくんのイカれ。といっても、前作も漫才はそんなに多くなかったけど。漫才で書くのは大変だろうなあと思うけど、ぜひやってほしい。
今回は、落語系が一遍あったんだけど(注文の多い理髪店)、これもよかったです。
…つか、私ってばさぶいギャグが好きなのね…;;;
2003年4月16日
2003年04月07日
『カナリヤは眠れない』近藤史恵/祥伝社文庫
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面白かった! こういう依存症、とくに買い物依存症は理解しがたいので、これは途中で読むのが止まってしまうかも…と思ったけど、すいすい読めた。それどころか、先が気になって気になって読みたくてしょうがなくて、ない時間を縫ってさっくりと読んでしまったよ。
特に波乱万丈、ハラハラドキドキ、とかそういうわけではなく、次から次へと謎がでてきたり、でっかい謎がどかーんとあったりとかいうわけでもないんだけど、なーんか先が気になる話なのです。不思議。
最後のあたりで、陥れようとした(ダマした)人がダマされた人に向かって、「あなたの服の選び方が好きだった。自分の見て欲しいものを見てくれたから。服に罪はない。また店を開いたら見に来てくれ」ということを言うんだけど、その神経がわからん。たとえダマされて当然の人がいたとしても、ダマしていいというわけじゃないと思うんだが?お前、善悪の区別ちゃんとついてる?とツッコミたい。ま、本当に区別ついてたら、そもそもこんなことやらないと思うけど。
2003年4月9日
2003年02月07日
『黒い家』貴志祐介/角川ホラー文庫
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いやー、怖かったです。ええ。
友人に借りたんだけど、ホラー文庫というから、幽霊とかそういう類の話だと思ってたのね、最初。私はそういう類の話はあまり好きではないので(ミステリに絡んでるくらいならべつにいいんだけど、メインなのは…ちょっと。)イヤだなあと思いつつ読み始めたんだけど、全然違いました。超常現象とか、そういう類のホラーじゃないのね。
逆に、だからこそ怖いんだなあ〜。幽霊よりも、すぐそこにいるまったく理解できない常軌を逸している隣人のほうが怖いのかもしれない。目に見えるのに、その奥にはなにが沈んでいるのかわからないんだから。
『星降り山荘の殺人』倉知淳/講談社文庫
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これはね!たいていのひとはダマされると思うよ。イヤこれはやられました。
たぶん、事件による謎はそんなに突飛なものでもないし、解ける人もいると思うんですが…、私は深読みしながら読んでいったにもかかわらずダマされましたね(笑)
個人的には、この名探偵が出るシリーズを読んでみたいんですけどね。でも、もうこの手は使えないからねえ…。